学校がSNS活用するために知っておきたい基礎知識と運用強化のためのポイント
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近年、学生の間にSNS活用が浸透し、SNSを通して情報を得る学生が増えています。
コロナ禍において人が集まるオープンキャンパスを急遽中止せざるを得ない状況で、地方の学生が訪問を控えたり、オンライン化が進み学生の募集活動の予測がたちにくくなってきています。
その中で、大学の学生募集では、思うようにうまくいかなかったと考える学校法人が全体の78パーセントという調査結果が出ています。
- 学校の学生募集になぜSNS活用が積極的に採用されているのか
- SNS活用によって、学生募集を行たいがどのように進めればよいのか
- 学生を募集する際のSNS活用のポイントは何か
これからの時代に期待される学生募集の方法としては、やはりSNS活用は欠かせません。
この記事では、学校がSNS活用するために知っておきたい基礎知識と運用強化のためのポイントを解説していきます。
なぜ今、学校のSNS活用に注目が集まっているのか
今、学校のSNS活用に注目が集まっている理由は以下の3つです。
・少子化の進行
・志望学生の減少傾向
・広告媒体の変化
それでは、一つずつみていきます。
少子化の進行
今、学校のSNS活用に注目が集まっている理由の一つ目は、少子化の進行です。
日本は少子高齢化の傾向が引き続き高く、総務省のデータを見ると、0歳~14歳の人口は継続的に減少していることが分かります。
また、国際化が進み、日本人の学生の進学先の選択肢が日本だけではなくなる傾向もあるため、海外の学生の入学にも力を入れていく必要があります。
志望学生の減少傾向
今、学校のSNS活用に注目が集まっている理由の二つ目は、志望学生の減少傾向です。
学校法人がターゲットとする10代の人口が減少していることで、今後も引き続き、受験者や学生を獲得する競争が激化することが考えられます。
特に大学志望者年々緩やかに減少傾向がデータにも現れており、ピークであった1992年の18歳人口と比較すると、2020年度では6割未満となり、2024年度には半数にまで落ちむと予想されています。
広告媒体の変化
今、学校のSNS活用に注目が集まっている理由の三つ目は、広告媒体の変化です。
高校生の9割がスマホを所持しているという現代では、学生のスマホ活用とSNS活用が同時に進行しています。
これまでは合同学校展などを開催して、学校法人から学生に直接魅力を伝えていましたが、オンライン活用が発展した今、今後もこの流れが加速すると考えられます。
学生から「選ばれる」ために情報の伝達の方法も変化させていく必要があります。
学校がSNSを活用するメリット
学校がSNSを活用するメリットである以下の3つについて解説します。
・SNSアカウントも学校のオリジナル媒体である
・画像や動画を通して学校の様子を伝えられる
・最初に学校を知ってもらう入口となる
それでは、一つずつ見ていきましょう。
SNSアカウントも学校のオリジナル媒体である
学校がSNSを活用するメリットである一つ目の理由は、SNSアカウントも学校のオリジナル媒体であることです。
広告媒体となるSNSアカウント自体が学校のオリジナルとなります。
フォロワーを獲得することで、フォロワーに対する情報発信はもちろん、SNS活用をより活発にさせることで、フォロワー以外の多くの学生へ情報を届けることも可能です。
また、SNSアカウントからプラットホームとなる学校のHPに案内する導線を引くこともできるので、魅力的な発信をすることが求められます。
学校のオリジナルSNSアカウントでファンを増やし、継続的に効果の高い発信をしていくことが重要です。
画像や動画を通して学校の様子を伝えられる
学校がSNSを活用するメリットである二つ目の理由は、画像や動画を通して学校の様子を伝えられることです。
SNS活用することで、文字の情報だけでなく画像や動画を用いた情報発信ができることから、より視覚的かつ直観的に学校の魅力を伝えることが可能です。
授業の様子、キャンパスの雰囲気、学校祭などのイベントや部活動など、画像や動画で躍動感を生み、伝えることで、ワクワクする気持ちや共感を生み出しやすくなります。
また、多くのフォロワーに「いま重要なお知らせ」を届ける即時性を持ち、必要に応じて双方向のやりとりもできます。
最初に学校を知ってもらう入口となる
学校がSNSを活用するメリットである三つ目の理由は、最初に学校を知ってもらう入口となることです。
学校と学生のファースト・コンタクトとなりうる場所が今後はオンライン上となり、SNS活用することは、接点を増やすことになります。
また、「ハッシュタグ」を活用し投稿数を増やすことで、話題性が高く人気のある学校とアピールすることも可能です。
学校がSNS活用をはじめる上でぶつかる壁と解決方法
学校がSNS活用をはじめる上でぶつかる壁と解決方法は以下の2つです。
・SNSの運用ノウハウがない
・運用できる人材がいない
それぞれ、見ていきましょう。
SNSの運用ノウハウがない
学校がSNS活用をはじめる上でぶつかる壁と解決方法の一つ目は、SNSの運用ノウハウがないことです。
学校がSNS活用するためには、まずはどのSNSを活用するのか、また、どのように活用し、伝えたい情報と学生をつなげるのか、を設計する必要があります。
SNS活用での広報活動は、まだ新しい分野であり、そもそもSNSを運用するノウハウを持っていない学校もまだ多い状況です。
また、SNS活用は成功させるためだけではなく、事故を起こさないようにするためにもノウハウは必要です。
SNS上でのトラブルを未然に防ぐためのガイドライン作成や、トラブル発生時の対応マニュアルの作成など、リスク管理も重要です。
担当者がWebマーケティグの知識をつけて運用する、といった対策も必要ですが、運用に関するコンサルティングの選択も考えていくと良いでしょう。
運用できる人材がいない
学校がSNS活用をはじめる上でぶつかる壁と解決方法の二つ目は、運用できる人材がいないことです。
SNS活用はまだ始まったばかりで手探りで行っている担当者も多いのではないでしょうか。
普段からSNS活用をしている人が運用していくことが望ましいのですが、学生募集の担当者が必ずしも普段からSNS活用しているとは限りません。
こうした場合、運用代行サービスに依頼をすることも一つの対策です。
むやみに配信する場合に比べて宣伝効果を高めることが期待できます。
学校がSNS活用する際のポイント
学校がSNS活用する際のポイントは以下の3つです。
・SNSの運用方針・コンセプトを立てる
・学生との積極的にコミニュケーションを取る
・外部に依頼するのではなく内部で活用できる体制を作る
それでは一つずつ見ていきます。
SNSの運用方針・コンセプトを立てる
学校がSNS活用する際のポイントの一つ目は、SNSの運用方針・コンセプトを立てることです。
学校がSNS活用する前にまず、どのような発信をしていくか、また、SNSをどう運用していくかを決める必要があります。
まず初めにコンセプトを策定します。
策定されたコンセプトにより、発信する媒体、発信方法、発信内容がきまるため重要です。
学校の強みは何かを明確にし、強みを活かすことができる媒体・方法を考えた上で、来て欲しい学生をイメージしたSNS活用をすることが求められています。
学生との積極的にコミニュケーションを取る
学校がSNS活用する際のポイントの二つ目は、学生との積極的にコミニュケーションを取ることです。
学校がSNS活用をする上で大切なのは、学生とのコミュニケーションを通して共感を獲得し、信頼関係を築くことです。
学校の情報を一方的に発信しているだけでは、学生からの共感を獲得するのは難しくなります。
しかしコメントや質問に丁寧に返信するなど、コミニュケーションを取り入れることで、情報が厚みを増し、ファンへと変わっていくことも考えられます。
コメントの返信はかなり手間ひまがかかりますが、一つ一つの丁寧な行動が学生からの信頼と「こんな学校に入りたい」という志望動機へと繋がっていきます。
外部に依頼するのではなく内部で活用できる体制を作る
学校がSNS活用する際のポイントの三つ目は、外部に依頼するのではなく内部で活用できる体制を作ることです。
学校がSNS活用を行おうとすると、日々のコメント対応や投稿企画・作成、また毎月の運用分析など、時間が取られることも多くあります。
しかし、学校の魅力を一番知っている内部の担当者がSNSを運用できることが一番望ましい状態です。
フレッシュな情報をいち早くフォロワーに届けられるような体制の構築が必要と言えるでしょう。
まとめ
本記事では、学校がSNS活用するために知っておきたい基礎知識と運用強化のためのポイントを解説してきました。
学校がSNS活用を導入する際のポイントとして、まずはコンセプトを明確にして、活用するSNS媒体を選択し、学生にどう伝えるかを決めていくことが大切です。
SNS活用が成功している学校では、LINEアカウントをフォローしてもらうことで、学校が発信する情報と学生がリアルタイムにつながることを実現していたり、TicTokを活用する場合は、動画と音楽を組み合わせた、見ている学生も一緒に楽しめる内容を発信しています。
学校の認知を広げ、学生に魅力を感じてもらうことで、受験・入学につながることが学校のSNS活用の目的と言えます。
SNS活用を通じて、リアルタイムで学校と学生をつなぎ、ファンを増やしていけるような運用をしていきましょう。
記事執筆者の紹介
乾 雄一/デジタル広報プランナー
法人営業・EC事業の立ち上げ・新規事業開発などを経験し、WEBマーケティング会社にてWEBサイトの改善・集客・運用支援に携わる。
現在はWEB・動画・SNSを中心とした「デジタル広報」という切り口で教育機関の学生募集、医療機関の集患・人材採用支援を行っている。