デジタル広報力で差がつく!デジタル広報のポイントと取り組み事例の紹介
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目次
コロナウィルスの感染拡大により生活が急激に変化しました。
緊急事態宣言が出されたことで外出ができず、情報収集の多くをインターネットなどのデジタル媒体でおこなった人も多いのではないでしょうか。
実際に広報の流れも大きく変わりました。
新聞や広告、テレビなどスポンサーとなって膨大な広告費を計上していたアナログ広報から、SNSなどを通して情報を拡散させるデジタル広報へと移行してく時代の真っ只中と言えるでしょう。
本稿では、デジタル広報に取り入れる場合のポイントや実際の事例を解説し、デジタル広報を活用するための知識をお伝えします。
デジタル広報とは
デジタル広報とは、Webサイトをはじめ、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどの企業アカウントを運用し広報をデジタル化して発信することです。
まず、広報とは英語でPublic Relationと表現されます。
日本では頭文字を取って「PR」という言葉にして、自社のアピールしたいメッセージをどう伝えるか、というところに重点を置いています。
しかし、Public Relationという元々の語源から広報の意味を考えていくと、Public =大衆、人々の集合、Relation=関係であり、「広報」とは企業と人とのかけはしとなって関係性を築いていくことと言えます。
SNSをはじめとする双方向のソーシャルメディアが主流となった今、自社の情報をデジタル広報として発信し、コミニュケーション・プロモーション・ブランディングのツールとして活用していくことがベースとなっていきます。
デジタル広報の種類
まず、デジタル広報の種類をみていきます。
デジタル広報の種類は以下の3つです。
・オウンドメディア
・アーンドメディア
・ペイドメディア
デジタル広報では、この3つを組み合わせて広報の効果を高めていくことが可能です。
それでは、それぞれを解説していきます。
オウンドメディア
一つ目はオウンドメディアです。
オウンドメディアとは、自社の保有するWebサイトをはじめ、ブログやSNS、広報紙やパンフレットにいたるまで、自社が活用している広報手段のすべてを指します。
オンラインマーケティングの視点で考える場合は、自社が保有するオンラインサイトを意味することが多くあります。
役割としては、「広報の中枢」で、例えばブログやSNS、広報誌やパンフレットなどでは補いきれない情報が一括して格納されている場所と表現できます。
伝えたいことの一部分を発信するSNSや、広く浅く網羅した会社のパンフレットにはない情報がオウンドメディアにはあり、より多くの情報発信をして高い信頼を集めるための場所ともいえます。
アーンドメディア
二つ目はアーンドメディアです。
アーンドメディアとは、企業が直接運用するメディアではなく、「他者が評価する自社」が表現されるサイトです。
たとえば、SNSで話題になったり、また報道で言及されたり、ポジティブなレビューやレポートを書かれたりすることがアーンドメディアに該当します。
近年では、インフルエンサーの存在により、アーンドメディアの価値が上昇しており、例えばインフルエンサーが発信することによってその情報が爆発的に拡散されることもあります。
ペイドメディア
三つ目はペイドメディアです。
ペイドメディアを言い換えると有料メディアとなり、企業がお金を支払い広報を展開することを指します。
デジタル広報が普及すると、自社が発信するメッセージを自然に見つけてもらえることが難しくなるため、お金を支払って露出を促進するというのも情報発信のツールとして取り入れることも必要です。
自社のターゲットが最も活用するプラットホームは何かを見極めて、そのプラットフォームの運営を積極的に促進活用することが大切です。
アナログ広報とデジタル広報の違い
アナログ広報とデジタル広報の違いは、アナログ広報とは従来のメディアを利用した広報を指し、プレスリリースや新聞や雑誌、TVのCM広告などを活用して広く一般の人に伝える広報です。
アナログ広報のメリットは、露出が多いため一般の人の目にとまりやすいことですが、デメリットは広告費が膨大にかかることです。
一方、デジタル広報は自社のホームページやSNSなどを通して、ユーザーに直接働きかける広報を指します。
デジタル広報のメリットは広告費が低く抑えられることで、例えばインフルエンサーの目に情報がとまり拡散すれば広告費が0円でも広く伝わることがある、ということです。
しかしデメリットとしては、主にインターネットユーザーを対象としているため、インターネットを活用しない世代には情報が届きにくいということです。
アナログ広報からデジタル広報の時代に移行しつつありますが、広報の目的は必要な情報が必要としている人に届くか、ということであり対象者によってアナログとデジタルと使い分ける必要があるとも言えます。
デジタル広報を行う際のポイント
ここでは、デジタル広報を実際に行う際のポイントを解説します。
デジタル広報を行う際のポイントは以下の3点です。
・目的に合わせた最適なメディアを選ぶ
・情報発信・更新は持続的に行う
・一方的な情報発信ではなく双方向のコミュニケーションの場にする
それでは、ひとつずつ解説します。
目的に合わせた最適なメディアを選ぶ
デジタル広報を実際に行う際のポイントの一つ目は、目的に合わせた最適なメディアを選ぶことです。
これまでの広報は「伝えたい内容をお知らせする」ことが中心でしたが、デジタル時代の広報は「伝えたい層のニーズに合った情報の提供」が主流となっていきます。
そのため伝えたい層が一番活用しもっとも目にふれるメディアを選択することが重要になります。
若い世代であればSNSやクチコミサイトが中心となり情報を目にしますが、高齢層となると例えば直接ホームページにアクセスして情報を得ることが中心となります。
伝えたい層のメディアの活用の仕方を理解することで、デジタル広報の発信方法も決まってきます。
情報発信・更新は持続的に行う
デジタル広報を実際に行う際のポイントの二つ目は、情報発信・更新は持続的に行うことです。
伝えたい情報が一度の発信で伝わるとは限りません。
デジタル広報の場合、アナログ広報に比べると情報発信を気軽にすることができるため、発信・更新頻度を上げることが可能です。
逆に、デジタル広報での情報が古いとユーザーに感じられた場合、その情報の信憑性が疑われ悪い評価につながりかねません。
情報発信は継続的に行その頻度をあげていくことで、「新しい情報はないか」とユーザーが直接メディアに情報を探しにいくなど、関心が強くなっていく効果も期待できます。
一方的な情報発信ではなく双方向のコミニュケーションの場にする
デジタル広報を実際に行う際のポイントの三つ目は、一方的な情報発信ではなく双方向のコミニュケーションの場にすることです。
アナログ広報の特徴として一方的に伝えたい情報を広く発信することがありますが、デジタル広報では、伝える相手を絞ることによって、情報の受け手の反応を汲み取りやすくなります。
SNSなどは発信した情報に対してのコメントやボタンをおすことで投稿への関心を見ることができます。
また、関心が高い投稿を活用してイベントを開催し参加を促すなど、次のアクションにも働きかけやすくなります。
リアルなコミニュケーションの場だけではなく、オンライン上にもコミニュケーションの場を作りユーザーとの関係性を深めることも可能です。
デジタル広報の取り組み事例
ここでは、デジタル広報の取り組み事例を紹介します。
・茨城県行方市「情報発信で日本一プロジェクト」
・小倉記念病院「生き残るための広報戦略」
・東洋大学「3年で動画500本公開」
それでは、ひとつずつ解説します。
茨城県行方市「情報発信で日本一プロジェクト」
デジタル広報の取り組み事例の一つ目は、茨城県行方市「情報発信で日本一プロジェクト」です。
茨城県行方市(なめがたし)では、「市民全員が情報発信者」と位置付けてまずは、「なめがたし」という読み方を知ってもらうことからはじめました。
情報を発信する市民自身が行方市の良さに気づき、誇りを持つことがまず重要でした。
一人一人が地域について誇りを持って語れるためには、地域をより深く理解することが求められます。
そこで活用されたのがデジタル広報です。
情報共有ツールを活用し、広報紙、観光ガイド、地域情報誌など、あらゆる紙媒体をデジタル化し、スマートフォンやタブレット端末で配信しました。
多言語情報発信ツールでもあり、日本語・英語・中国語簡体字・中国語繁体字・韓国語・タイ語の7言語への自動翻訳ができ、音声読み上げ機能もついているため、その他の母国語の住民でも情報が広く取り込めるようにしました。
誰でも難なく情報にアクセスできる状態を作ることで、興味が深掘りされ地域を語れる住民を育てている市の事例です。
小倉記念病院「生き残るための広報戦略」
デジタル広報の取り組み事例の二つ目は、小倉記念病院「生き残るための広報戦略」です。
病院はCMや広告などの広報活動が、法律やガイドラインでの制限があるため思うようにできません。
取り組みが限られてくるだけに、広報の方法を絞って注力することが大切です。
患者とのより良いコミニュケーションを作り病院独自のオリジナリティの高い取り組みをしたのが小倉記念病院です。
ホームページ上で医師紹介が人気のページとわかると、医師紹介を動画に変えウェブ上で医師とのコミニュケーションの時間を増やしました。
聴覚障害の方にもメッセージが伝わるよう動画には字幕も入っています。
また、FacebookやInstagramやLINEも積極的に活用しています。
Facebookをウェブサイトのブログ的役割として活用し、求人者への情報提供、院内広報などを投稿したり、Instagramはウェブサイトの付属品としてとらえて、ビジュアルコミュニケーションの促進につなげています。
東洋大学「3年で動画500本公開」
デジタル広報の取り組み事例の二つ目は、東洋大学「3年で動画500本公開」です。
東洋大学では2014年度入試から紙の大学案内や入試要項を廃止し、ネット出願へ移行しました。
これまであった印刷媒体62万部をすべてやめ、「入学前に『学び』を知る。」をコンセプトに、TOYO Web Style」内で動画コンテンツ「Web体験授業」を公開しました。
紙媒体では伝えきれない情報をWebという場所に移すことで、印刷にかかるコストを抑えつつもより深く東洋大学を志望する学生とつながる「体験授業」という場所を作った事例です。
また、PCからのアクセスよりもスマートフォンからのアクセスが多いことがわかると、入試情報サイトを更新しスマートフォンからのアクセス環境をよりよくしました。
この入試サイトには6万人が登録しており、今でも東洋大学と志望学生がつながる場所として活用されています。
一般的なデジタル広報の研修で学べる知識
キュレーションメディアやまとめサイトが生まれ、デジタル広報の重要性はますます高まっています。
また、情報の流れもネット上で話題になったものがマスメディアにも波及していくという逆転現象が起きています。
デジタル広報の波にのるために、情報が流れ、拡散していくかという全体像を理解した上でアプローチをする必要があります。
このような背景から、一般的なデジタル広報の研修では「話題の“タネ”としての情報を設計していく」という、情報の流通者としてのスキルを磨くことを伝えています。
内容としては、デジタル広報での情報の流通やPRの方法、また、デジタルメディア別の攻略法などを学ぶことができます。
まとめ
新型コロナウィルスが発生したことで、アナログ広報からデジタル広報への移行が早まり、今後も、デジタル広報の流れは加速し主流となっていくでしょう。
こうした環境において、企業は、自社の顧客を深掘りし、デジタル広報によってどうコミニュケーションを深めていくかを考え実践することが重要になってきます。
本記事でご紹介したように、デジタル広報を実施するには、様々な種類やポイントまた、活用方法があります。
企業は、デジタル広報をどのように取り入れ活用していくかを考え、今後の計画に取り入れていきましょう。
記事執筆者の紹介
乾 雄一/デジタル広報プランナー
法人営業・EC事業の立ち上げ・新規事業開発などを経験し、WEBマーケティング会社にてWEBサイトの改善・集客・運用支援に携わる。
現在はWEB・動画・SNSを中心とした「デジタル広報」という切り口で教育機関の学生募集、医療機関の集患・人材採用支援を行っている。